「なんで雲は落ちてこないの?」と、子どもに聞かれて答えに困ったことはありませんか?
身近な空に浮かぶ雲ですが、その正体や仕組みは意外と知られていません。
この記事では、そんな雲のふしぎを、小学生にもわかるやさしい言葉と図解で楽しく紹介します。
「水蒸気」「気温」「空気の流れ」など、理科の基礎知識も自然と身につく内容です。
天気や自然に興味をもつきっかけにもぴったり。
お子さんとの会話にも役立つ内容なので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
雲はどうして浮かんでいるのか?
雲の正体とは?
空にぷかぷか浮かぶ雲は、まるで綿あめやわたのように見えますが、その中身は水や氷のつぶでできています。
正確には、空気中にある「水蒸気(すいじょうき)」という見えない水の気体が、冷やされて小さな水や氷のつぶに変わったものがたくさん集まってできています。
このつぶはとても小さく、1つ1つがとても軽いため、空にふわふわと浮かんで見えるのです。
雲は形も色も毎日違いますが、それは雲を作るつぶの大きさや集まり方、空の高さや光の当たり方によって変わるからなんですよ。
雲ができる仕組みを簡単に解説
雲ができるには「水が空へ上がって、冷えてつぶになる」という自然の流れがあります。
たとえば、海や川の水、地面にある水たまりなどが、太陽の光であたためられると、水が水蒸気になって空へと上っていきます。この水蒸気は目に見えませんが、空気の中にふくまれています。
そして、水蒸気が空の高い場所までのぼると、気温が低くなるので、冷えて小さな水のつぶや氷のつぶに変化します。
このたくさんの小さなつぶが集まることで、空に雲ができるんです。
これはちょうど、おふろの湯気が天井で冷やされて水のつぶになり、鏡がくもるのと同じ現象なんですよ。
雲の成分:水蒸気と水滴の関係
空気の中には、見えない水=「水蒸気」がたくさんふくまれています。この水蒸気は気温が高いときにはそのまま空気にとけこんでいますが、気温が下がると水滴になります。
たとえば、冷たいジュースのコップに水がつくのも水蒸気が水に戻るからです。
このように、空の高い場所で水蒸気が冷やされると、水滴や氷のつぶになって雲を作る材料になるのです。
雲が浮くための条件とは?
「水でできているのに、なぜ雲は落ちてこないの?」という疑問はよくありますよね。
実は、雲をつくっている水のつぶは、とても小さくて軽いため、すぐに地面に落ちてしまうことはありません。
また、空には上昇気流(じょうしょうきりゅう)という、上に向かう風がふいていることがあり、この風が雲を支えてくれる役割もしているのです。
雲の中の水のつぶが大きく重くなって、上昇気流でも支えきれなくなると、雨や雪になって地上に落ちてくるという仕組みになっています。
雲はなぜ白いのか?その理由を探る
雲が白く見えるのは、太陽の光の当たり方が関係しています。
太陽の光は、実はたくさんの色(赤・青・緑など)が混ざってできています。その光が雲の中の水のつぶに当たると、すべての色がいろんな方向に散らばり(散乱)、その結果として白っぽく見えるのです。
ただし、雲が厚くなってくると光が通りにくくなり、灰色や黒っぽく見えることもあります。これは雨が降りそうなときの雲によく見られます。
また、夕方や朝に雲がオレンジ色やピンク色に見えるのは、太陽の位置が低くなって光の通り道が長くなることで、赤やオレンジ色の光が多く残って雲を照らすからです。
まるで空がキャンバスのように見えるのは、この自然のしくみがあるからなんですね。
雲のでき方とその種類
1. 湯気から雲ができるまでの流れ
おなべから出てくる湯気、見たことがありますか?
実は、雲ができる仕組みとそっくりなんです。湯気は、水があたたまって「水蒸気」になり、空気中で冷やされて白いモヤのようになります。
同じように、地上の水(海・川・池など)が太陽であたためられると、水蒸気となって空にのぼっていきます。そして、空の高いところで冷やされて、小さな水や氷のつぶに変わり、それが集まって雲になるのです。
つまり、雲は空にできる「湯気のかたまり」とも言えますね。
2. 種類別:積乱雲とそれ以外の雲
雲にはいろんな種類があり、それぞれ形や高さ、できる場所やお天気によって名前が決まっています。
よく知られているのが「積乱雲(せきらんうん)」。もくもくと大きくて、入道雲とも呼ばれるこの雲は、夏の暑い日にできやすく、雷や大雨をともなうことが多いです。
その他にも、
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すじ雲(巻雲)…とても高い空にでき、細く長い形。
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うす雲(巻層雲)…太陽や月にうっすらかかるような白いベール。
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層雲…低い空に広がる灰色の雲で、雨やくもりのときに見られます。
雲を見ただけで、これからの天気を予想するヒントになるんですよ。
3. 雲の種類とその見え方を写真で確認
空を見上げて「この雲、なんだろう?」と思ったら、雲の写真図鑑やスマホのアプリで調べてみましょう。
雲は毎日違う顔をしていて、同じ場所でも時間によって変化します。晴れた日・くもりの日・雨の日、いろんな日に空を見て比べてみると、自然への興味もぐんと深まります。
学校の理科の授業でも雲の名前は出てくるので、写真を見ながら覚えるのがおすすめです。
4. 雲ができる理由:小学生にもわかる説明
雲ができる理由は、「水がのぼって冷やされると、つぶになる」という、とてもシンプルな自然の仕組みです。
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太陽の光で水があたたまり、
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見えない水蒸気になって空にのぼり、
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空の高いところで冷えて、
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小さな水のつぶや氷のつぶに変化して、
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それが集まって雲になる。
この流れを知っていれば、「今日は雲が多いから雨が降るかも」など、お天気を予想する力もついてきますよ。
5. 雲の形成における気温や空気の役割
雲ができる場所は、高い空の上。そこは地上よりずっと寒いです。
だから、上にのぼっていった水蒸気は、冷やされて水のつぶに変わりやすくなります。
さらに、あたたかい空気は軽いので上にのぼろうとする性質があります。この空気の動きを「上昇気流」といいます。上昇気流が強ければ強いほど、たくさんの水蒸気が上に運ばれ、大きくて元気な雲(ときには雷雲)ができることもあります。
雲と天気の関係
雲が示す天気の変化
実は、雲を見ればある程度天気の変化を予測することができます。
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うすく広がった雲が空に見えるときは、雨が降る前ぶれのことが多いです。
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もくもくと大きな雲が見えるときは、雷や大雨が近づいているかもしれません。
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高いところにうすい雲が広がっているときは、天気が下り坂のサインです。
空を観察して、どんな雲が出ているかに注目するだけで、お天気博士に近づけますよ。
雲ができる仕組みがもたらす天候
雲は、空の中で「水のめぐり(=水循環)」の大切な役割を持っています。
雲ができて、たまりすぎると雨になり、地面に戻ってまた川や海へと流れていきます。そしてまた水蒸気になって空へ――このくり返しが自然のバランスを保っているのです。
雲がたくさんあると、太陽の光が届きにくくなって気温が下がることがあります。逆に、夜に雲がないと、地面の熱が宇宙へ逃げてしまい、気温が急に下がることもあります(これを「放射冷却」といいます)。
雲と飛行機の関係:空の旅と雲
飛行機に乗ったことがある人は、「雲の中で揺れた!」という経験があるかもしれません。
これは「乱気流(らんきりゅう)」と呼ばれる現象で、雲の中にある風の変化や空気の温度差が原因です。
でも実は、飛行機は雲よりももっと高い空を飛ぶことが多く、そこはとても晴れていて、雲のじゅうたんを見下ろせることもあります。
空から見る雲の景色は、まるで夢の世界のように美しいですよ。
雲を観察しよう
雲を簡単に観察するためのヒント
雲を観察するときは、毎日同じ時間に空を見上げてみるのがおすすめです。朝・昼・夕方と、時間帯によって雲の形や色がどのように変わるかを比べてみましょう。
たとえば、
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朝はやさしい色の雲が多く、
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昼はくっきりとした雲が目立ち、
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夕方はオレンジやピンクに染まる雲がとてもきれいです。
晴れの日とくもりの日では、空の明るさや雲の高さも違います。毎日ちがう空の表情を見ることで、自然に興味がわいてきますよ。
雲を描いてみよう!子どものための工作
雲をただ見るだけでなく、自分の手で作ってみるのも楽しい体験になります。
おすすめは「オリジナル雲図鑑」を作ること。
【準備するもの】
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白い画用紙
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綿(コットン)
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クレヨンや色えんぴつ
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のり、はさみ
【作り方】
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実際に見た雲の形を思い出しながら、綿で表現して画用紙にはる
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その日の天気(晴れ/くもり/雨)を書きこむ
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「これはすじ雲」「これは入道雲」と、名前もつけてみる
数日分作れば、世界にひとつだけの雲図鑑が完成します!自由研究にもぴったりですよ。
雲の写真を撮るためのポイント
スマホやカメラを使って、雲のアルバムを作るのも楽しい活動です。
とくにおすすめの時間帯は、朝と夕方。
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朝の空は光がやさしく、雲がふんわり写ります
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夕方は空が色づき、オレンジやピンクのグラデーションと雲のコラボがとてもきれいです
撮影のコツは、地面や木、建物なども一緒に写すこと。そうすると、雲の大きさや位置がわかりやすくなります。
雨の日や風の強い日など、天気ごとの写真を集めると、季節や気候の変化も感じられるようになりますよ。
雲についてもっと知ろう
学校で学ぶ雲の科学
小学校の理科では、「水の変化や天気のしくみ」を学びます。雲のしくみを知ると、
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水がどうやって空にのぼるのか
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雨がどこからくるのか
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気温や風が天気にどう関係しているのか
など、自然のつながりがよくわかるようになります。
また、知識として覚えるだけでなく、「あの雲は積乱雲だ!」「今日の雲は低いところにあるなぁ」と、日常生活でも発見が増えて楽しくなります。
雲の面白い事実
雲って大きく見えるけれど、実はとても不思議な存在です。たとえば、
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地球のすべての雲の水を集めても、地面にたった1ミリしかたまらないと言われています。それだけ、雲の中の水のつぶは小さくて軽いのです。
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一番高いところにできる雲は、なんと地上から10キロメートル以上の高さにあります。飛行機よりもさらに上にあるんですよ。
このように、雲は見た目以上にすごい自然のしくみでできているんですね。
なぜ雲を見上げるのが楽しいのか?
雲はいつも空にあるけれど、まったく同じ形の雲は二度と現れません。
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動物に見える雲
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ハートみたいな雲
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空をまっすぐ横切る飛行機雲
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交差して星のように見える雲
そうした「見立てあそび」ができるのも、雲の魅力のひとつです。
天気がいい日には、ぜひちょっと立ち止まって空を見上げてみてください。
「今日はどんな雲があるかな?」「あれは何に見えるかな?」と想像するだけで、毎日の空がちょっと特別に感じられますよ。
まとめ|空を見上げて雲のふしぎを感じてみよう
雲がどうして空に浮かんでいるのか――その答えは、水蒸気や気温、空気の流れといった自然のしくみにありました。
子ども向けにやさしく解説することで、難しい理科の内容も身近で楽しいものになります。
毎日何気なく見ている空にも、たくさんの発見があります。
今日からはぜひ、お子さんと一緒に雲を観察してみてください。
「この雲はどんな名前かな?」「明日は晴れるかな?」と会話が広がるはずです。
自然とふれあいながら、学びを深めるきっかけになれば嬉しいです。