ある日、友達に「おねえちゃん」と言われた妹
ちょっと照れたような笑顔
ある日の午後、公園で遊んでいた娘(当時3歳)のもとに、近所の年下の子が近づいてきて「おねえちゃん、これやって〜」と声をかけました。
その瞬間、娘はふっと顔をほころばせ、ちょっと照れたような笑顔に。
私は少し離れたところからその様子を見ていたのですが、その笑顔に胸がじーんとしました。
「おねえちゃん」って、ただの呼び方かもしれない。でもその言葉が、娘の中にちょっとした“誇らしさ”を灯したことが、表情から伝わってきたのです。
「どうしておねえちゃんって呼ぶの?」と聞いてみた
「わたし、もう3歳だから!」のひとこと
その日の帰り道、娘にそっと聞いてみました。
「ねぇ、○○ちゃんが“おねえちゃん”って呼んでたけど、どうだった?」
すると娘はニコッとしながら、「うれしかったよ」と一言。
さらに、「だって、わたし、もう3歳だから!」と胸を張りました。
たしかに、ついこのあいだまで赤ちゃんのように抱っこされていた娘が、「もう3歳」と言うその姿に、私も思わず笑ってしまいました。
でも、ただ笑うだけでは済まない、子どもの心の成長を感じた瞬間でもありました。
子どもが“ことば”に込める気持ち
「呼ばれ方」で自信が育つ
子どもは、周りからの“呼ばれ方”で自分の立ち位置を感じ取っています。
「○○ちゃん」から「おねえちゃん」へ──それは、単なる呼び名の変化ではなく、「自分は少しおにいさん・おねえさんになった」という実感の芽生え。
呼ばれたことで“自信”が生まれ、その自信が「できることを増やしたい」「やってみよう」という前向きな気持ちにつながっていく。
たった一言の呼びかけが、子どもの中に大きな影響を与えるんだなと、改めて気づかされました。
「おねえちゃん」とは役割と誇り
「おねえちゃん」という言葉の中には、「やさしくする」「お手本になる」「助けてあげる」といった“役割”が含まれています。
娘も、おもちゃを渡してあげたり、転びそうな子の手を取ったり、いつもより少し“気をつかっている”ように見えました。
「おねえちゃん」って、誰かに呼ばれることで“自分はそうなりたい”と意識し始める魔法の言葉なのかもしれません。
そして、その言葉が、子どもにとっての“誇り”になっていくのだと感じました。
ことばが育てる、こころの成長
小さな言葉から見える大きな変化
子どもたちの心は、まだまだやわらかくて、言葉のひとつひとつがその心にしっかり届いています。
「おねえちゃん」と呼ばれたことがうれしかった娘は、そこから少しずつ、“やさしくすることの意味”や、“自分が誰かの役に立つ”ことの喜びを学んでいるようでした。
そんな小さな変化が、積み重なって大きな成長へとつながっていく。
「ことば」は、子どものこころを育てる栄養のようなものだと、感じずにはいられませんでした。
まとめ|“ことば”が子どもを育てると気づいたら、声かけの意味が変わる
子どもが発する言葉、そして周りから呼ばれる言葉には、その子の成長や気持ちが詰まっています。「おねえちゃん」と呼ばれてうれしそうにしていた娘の姿は、私に“ことばの力”を教えてくれました。
日々のなにげないやりとりの中で、子どもたちは確かに育っています。
だからこそ、親としての「ひとこと」も、大切にしていきたいですね。