「ねぇ、心臓ってどうしてずっと動いてるの?」
ある日の夜、お風呂でふと投げかけられたこの一言に、私は思わず言葉に詰まりました。子どもは本当に唐突に、でも大切な問いを投げかけてきます。
この記事では、その時の親子の会話や心情の変化、そして調べてわかったことをもとに、「心臓のしくみ」や「命をどう伝えるか」について考えたことをお話しします。
突然の質問「心臓って、なんで動いてるの?」
きっかけはお風呂での会話
その日は、娘と一緒にお風呂に入っているときでした。体を洗っていた娘が、ふいに私のお腹に手を当てて、
「パパの中、トクントクンってしてるね。これ、心臓?どうしてずっと動いてるの?」
と聞いてきました。
まるで何気ない雑談のように思えたその質問。でも、聞かれた瞬間、私は一瞬固まってしまいました。
ドキッとした親のリアルな反応
正直、答えに困りました。医学的な説明をすればいいのか、イメージで伝えるべきなのか。頭の中でぐるぐると考えながらも、とりあえず子どもの目を見て、何かしら答えなければと焦りました。
「ずっと動いてるのが当たり前」と思っていた心臓。でも、改めて「なぜ?」と問われると、うまく言葉にできないことに気づかされたのです。
どう説明した?私なりの答え方
「ポンプのように動いてるんだよ」と伝えたけれど…
私はとっさに、こう答えました。
「心臓はね、水を押し出すポンプみたいに動いてて、血を体に送ってるんだよ。止まっちゃうと困るから、ずーっと動いてるの」
すると娘は、
「ふーん。でも、どうして止まらないの?疲れないの?」
と、さらに深掘りしてきました。
この「疲れないの?」という言葉が、なんとも愛しくて切なくて、答えを返しながら自分の中でも“命ってすごいな”としみじみ感じました。
子どもの表情や反応
私の説明に対して、娘はしばらく黙って自分の胸に手を当てていました。
「わたしのも動いてる…」
とつぶやいたあと、
「じゃあ、わたしが寝てるときも、心臓ががんばってるんだね。すごいね」
と、少し誇らしげに笑ったのです。その表情に、私自身が救われたような気がしました。完璧な答えじゃなくても、ちゃんと伝わったんだ――そう感じました。
調べてみて分かった心臓のしくみ
血液を送り出す働き
子どもにもっと正しく伝えたいと思い、あとで改めて調べてみました。
心臓は、筋肉でできた「ポンプ」のような臓器で、1日に10万回以上も動いています。その目的は、酸素や栄養を運ぶために血液を全身に送り出すこと。まさに、命を支える大黒柱のような存在です。
電気信号と自律神経の関係
さらに驚いたのが、心臓は自分自身で動くリズムを持っているということ。「洞結節(どうけっせつ)」という場所から電気信号が出て、その刺激で心臓が収縮と拡張を繰り返しているのです。
また、自律神経の働きによって、運動中や寝ているときに心拍数を自動的に調節してくれている…まさに「考えなくても動いてくれている臓器」なのです。
親として伝えたい命の大切さ
体のはたらきを通じて学べること
今回の会話を通じて感じたのは、「知識」よりも「感じる心」を育てることの大切さです。
「心臓はどうして動くのか?」という問いは、単なる体のしくみを超えて、「命ってなに?」「自分はどうして生きているの?」という深い学びの入り口になり得ると実感しました。
科学的な正しさにこだわりすぎると、子どもにとっては難しすぎる。でも、そこに「自分の体を大事に思える気持ち」が芽生えれば、それで十分なのかもしれません。
子どもに伝わったこと・伝えきれなかったこと
私はまだ、「命の大切さ」を言葉で完璧に伝えられてはいません。けれど、子どもが「わたしの心臓も動いてる」と気づき、「すごいね」と言ってくれたことが、すでに小さな“気づき”であり、命に対するリスペクトの芽だと思っています。
これからも、娘の問いにちゃんと向き合っていきたい。そして一緒に調べたり、考えたりしながら、「命ってありがたいね」と自然に思える時間を、積み重ねていけたらいいなと感じています。
まとめ|子どもの問いに向き合う時間が、命の学びにつながります
「心臓ってどうして動いてるの?」という子どもの素朴な疑問は、命のしくみや大切さを伝える絶好のきっかけです。親として完璧な答えを出す必要はありません。大切なのは、問いに耳を傾け、一緒に考える姿勢です。
会話の中で芽生える気づきや感動は、子どもにとって一生の学びになるかもしれません。身近な体のふしぎから、命の尊さを感じられる時間を、ぜひ親子で共有してみてください。